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2 2018/9

遺灰を形見のダイヤモンドへ

ダイヤモンド葬は、遺族が故人の遺骨から製作したダイヤモンドを故人の形見として手元に置き、供養する方法です。 身に付けたり、語りけたり、触れたりすることで故人との絆を実感できるといいます。 お骨を加工して、手元に残すという点で手元供養の一種と考える事も出来ますが、 遺骨全てを使用して製作することで、従来型のお墓は全く必要なくなります。

『新版 逐条解説 墓地、埋葬に関する法律』(第一法規 2007)に、地方自治体と国の担当者の間で交わされた質疑応答の中で、散骨に関連して少し考えさせられるものがある。昭和32年のものだが、「数十年前に死体を埋葬して、その死体や骨が既に消滅したものと考えられるような墳墓の場合、別の場所に墳墓の中の土を持って行ったらそれは改葬に当たるか」という現場からの質問に対し、「死体や骨が既に存在しなければ、それは法律上の改葬には当たらない」と回答されたものである。
ここでは、死体や遺骨が法律上の規制を受けるかどうかという基準について、「存在するかしないか」であるとしているが、過去にそこに埋葬されたことが明白な場合という前提において回答しているわけであるから、これは死体や遺骨が「認識できるかどうか」であると考えてよいだろう。ならば、焼骨を「認識できない状態に加工」すれば、それは刑法はともかく墓埋法の適用を根本的に受けないのだろうか。

例えば、近年発生した手元供養の商業バリエーションである、遺骨を加工した人造ダイヤモンドやセラミックプレートなどについて、将来的にそれらの処分を行う場合、遺骨として直ちに墓埋法の適用を受けるとは考えにくい。それならば、「遺骨が遺骨でなくなる基準」が何かということについては一考すべきである。
表現文化社の碑文谷創師はホームページや著書で、「散骨について法的な是非は確定していないが、もしするなら原形を残さないように粉砕することも必要であろう」と、海外の散骨に関する法律などを参考に注意している。これも、粉砕することによってそれを「遺骨と判断できない状態」にぎりぎりまで近づけることが重要だ、ということである。
ではこれを超えて、極端な例えとしては、「遺骨を粉砕した骨粉を魚の餌に混ぜて団子にし、川や海に投げ入れた」とすれば、この団子は法律上遺骨として扱うべきかどうか。まるで親鸞聖人の「閉眼せし後は鴨川の魚に…」であるが。
ほかにも、前述の質疑に倣って、「遺骨を一旦法律上の認可を受けた墳墓に入れ、粉砕して墳墓の土と混ぜ、取り出して山に撒いた場合」には、この回答から言えばそれは法律上遺骨として扱われることはないのだろうか。

我々は日頃意識しないが、これまでに過ぎてきた永い永い時の中で、この地表にはさまざまな生命の死骸が積み重なっている。当然、認識されないものは無いのと同じであるし、かつて骨だったものを土と分離することも至難である。だから、この質疑応答に見る判断は至極妥当なものであるが、それから60年、この葬送観の多様化した時代において法律をどう理解すべきか、悩みは深い。

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