沖縄に暮らすわたしたちが愛着を持って『島ぞうり』と呼び、認識しているもの、それはストラップとソール部分がPOPなカラーの軽くて丈夫なビーチサンダル。インソール部分に張られている白いゴムの表面には、細かな網目模様が浮き上がっています。この何気ない小さな工夫が、快適な履き心地を一層高めています。
ビーチサンダルといえば、本土では主な需要は夏場に限られますが、ここ沖縄では一年を通して変わらぬニーズがあるんです。
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沖縄に暮らすわたしたちが愛着を持って『島ぞうり』と呼び、認識しているもの、それはストラップとソール部分がPOPなカラーの軽くて丈夫なビーチサンダル。インソール部分に張られている白いゴムの表面には、細かな網目模様が浮き上がっています。この何気ない小さな工夫が、快適な履き心地を一層高めています。
ビーチサンダルといえば、本土では主な需要は夏場に限られますが、ここ沖縄では一年を通して変わらぬニーズがあるんです。
#2 島ぞうりの歴史
第二次世界大戦前の沖縄では、主にアダンの葉などを利用した植物で編んだぞうりが履かれていたそうです。そして終戦後、山のように廃棄された米軍車両のタイヤを溶かし、鋳型に流し込んで製造された、ストラップとソールが一体化したぞうりが製造されるようになりました。その後、改良を重ねられたゴム製のぞうりは、1955年頃にはすでに現在の島ぞうりに近い形となり、沖縄県内で製造、流通していたそうです。
現在はインドネシアで安定的に製造されるようになり、品質的にもより安定し、丈夫で履き心地バツグンの島人に愛される『島ぞうり』へと昇華していったのです。
#3 島ぞうりと呼ばれて
第二次世界大戦後の米軍統治時代には、外国人向けの販売も多くなり、わかりやすいように「ビーチサンダル」と呼ばれるようになりました。
そして1972年、沖縄が本土に復帰すると、本土のものと島のものを分ける意識が高まっていきました。泡盛は島酒(シマー、シマグァー)、島にんじんや島豆腐、島らっきょうなど、沖縄ならではのものに「島」をつけて呼ぶようになったとか。
「島ぞうり」という呼び名は、この時代に誰からともなく呼ばれはじめ、やがて定着していった、沖縄の歴史が生み出した愛すべき呼称なんですね。
#4 島ぞうりの魅力
島ぞうりの一番の魅力は、なんといってもその履き心地のよさにあります。ほどよいクッション性があり、とにかく軽く、履けば履くほど足になじんで、歩いても歩いても疲れ知らず。そして、発色のいい原色カラーと白いゴムのコントラストの清々しさ。気取りのない親しみやすいフォルム。沖縄のまばゆい太陽の下で元気に歩き回るのに、これほどふさわしいプロダクトデザインがあるでしょうか !?
一年中履いていると、その優秀さを忘れそうになりますが、たま〜に浮気心が首をもたげて、他のビーサン的なものを履いてみると、その差は歴然!
やっぱり、島ぞうりじゃなくちゃ、ね。
この愛すべき島ぞうりの魅力を、ひとりでも多くの人と分かち合いたいと願いつつ、まごころ込めて、今日もホリホリ、明日もホリホリ、ちばります。
島ぞうりに関する資料をご提供いただき、いつも貴重なお話を聞かせてくれる沖縄月星株式会社の高里さん、そしてマキノコ製作所オープン当初から、島ぞうりのこと、沖縄のこと、仕事のこと、様々なことを教えていただき、惜しみないご協力をいただいた根間靴店(2010年6月閉店)の根間さんご夫妻に、深く深く感謝いたします。